北タイ-魔法のナタを持つカレン族
北タイ-魔法のナタを持つカレン族
投稿 2011年5月22日
今年2月、北タイのカレン族の村々を、訪ねました。カレン族のナタは、バナナの葉の皿、竹の食器、建物の柱と、あらゆるものを生みだします。
この地のカレン族は200年程前、ミャンマーから移動してきた人々です。彼らは、半径7kmほどの低木の範囲に村を作り、焼畑をやり、何年かおきに焼畑の移動に合わせ、引っ越しをします。その範囲の外側は高木地帯で、伐採や狩猟のゾーンです。
カレン族は、すごい切れ味のナタを常に携帯しています。そのナタで、太い枝も見る間に切り落とし、ある時はバナナの葉をきれいに切りそろえます。カレン族のナタからいろんな物が作られる様を見ていると、そのナタが魔法の杖に見えました。彼らといっしょに森を歩くと、森からすべての生活を作り上げてきたことを、実感させられました。
この旅から帰って10日後、東日本大震災が起きました。カレン族の生活を思い出しながら、人間は、どこまで便利で近代的なものを手にすれば満足するのか、考えさせられました。
北タイ-カレン族のソーラーパネル
投稿 2011年4月21日
北タイのカレン族の家は、藁屋根・板壁・高床という、東南アジアらしいものです。でも、その傍らには、不釣り合いなソーラーパネルが、立っていました。
宿泊させてもらったのは、山中の小さなカレン族の村でした。木造、高床、藁屋根の小さな家々が、50件ほど並んでいます。店などは無く、電気は来ていません。大きな水タンクがひとつあって、炊事、洗濯、洗面の場所になっています。板張りの床下では、豚と鶏が暮らしています。
小さな家々の横に、40cm角ほどのソーラーパネルが、ひっそり立っています。か細い電線が、風にゆられ住宅にのびています。家の中には、小さな蛍光灯が一本ついています。夜は、囲炉裏の火と、この蛍光灯が瞬いていました。
日本と世界を震撼させた、原発事故のニュース。3時間の停電に大混乱する、東京の様子を見ました。それを見ながら、小さなソーラーパネルと一本の蛍光灯を思い出していました。