チベットの仕事歌
チベットのラサで、たくさんの人たちが、寺院の屋根の上で何かの作業をしていました。近づくと、みんなで歌いながら、屋根の工事をしているようです。
ガイドに聞くと、屋根に敷いた土をみんなで固めているということです。チベットでは雨が少ないため、住宅、寺院とも、屋根が平です。屋根には土を敷き、それを板で打って固めるそうです。昔から、こういう作業は民衆のボランティアで行われてきました。
先日、チベットの仕事歌「築墻調」が、ネットラジオで紹介されていました。雲南省デチェン地区のチベット族の歌です。歌の内容は「サムイェ寺(8世紀創建、チベット初の僧院)を建てる」というものです。
ネットラジオを聴きながら、ラサで見た工事を思い出していました。おそらく、サムイェ寺の工事にも民衆が集まり、みなで歌いながら仕事をしたのだろうなと思いました。それにしても、サムイェ寺と雲南省デチェンの距離は800km。そんな距離をものともせず、ボランティアにいったのでしょうか?
写真はサムイェ寺の向かいの丘からみた寺院の伽藍。ほぼ円形の塀で囲まれた寺院配置は、チベット仏教の世界、曼荼羅をあらわしています。塀の中の建物のいくつかが宿泊施設になっています。そこに一泊したので、ずいぶん清められたかな、と思います。