ネパール-新憲法に反対する民族
ネパールは2006年の王政崩壊後、民主国家を目指し新憲法策定を始めました。その間のブログをまとめました。
目次
ネパール-新憲法に反対する民族 (投稿2015年8月27日)
数日前、ネパール新憲法が決まったというニュースが、ネット上に流れていました。
パタンの知人に問い合わせてみると、「まだ途上。草案に反対してストライキが起きている地域もある。」とのことで、まだもめてるようです。ネパールは、全土を7つの州に分け、それぞれが、ある権限を持つ連邦民主共和国になる予定です。
そして、おとといこんなニュースが。インド国境に接するカイラリで現地民族が、自分たちの民族固有の州を作ることを求め、警官と衝突したそうです。カーストの低い民族が多く、中央からは無視されがちな民族の鬱憤が吹き出たようです。
写真は、ルンビニ地区の人たちです。インド国境沿いの人々は、インドの民族に近く、マデシという総称で呼ばれることが多いです。豊かではないこの人たちは、新憲法制定にあたっても、不利な立場におかれているようです。
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デモ隊が警官7人を殺害、新憲法めぐり混乱 2015年8月25日 CNN.co.jp
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カトマンズ(CNN) ネパール西部で24日、新憲法制定に反対するデモ隊が警官隊を襲撃し、少なくとも7人の警官が死亡した。襲撃に関連して、子ども1人も死亡しているという。
事件の起きたインド国境に接するカイラリ地区では同日、数千人がデモに参加。21日から当局が設置していた「進入禁止地帯」に入り込むと大勢で警官を取り囲み、襲い掛かったとみられる。地区の当局者はCNNの取材に対し、デモ隊は草刈り鎌やおのなどを使っていたと説明。襲撃中に、子どもも1人殺されたと述べた。
ネパールは2008年に連邦共和制に移行したが、新憲法における州の区分をめぐって与野党が対立し、正式な憲法のない状態が続いている。国内の主要政党は全土を7州に分割することを盛り込んだ憲法草案を議会に提出したが、カイラリ地区周辺に住む少数民族などがこれに反対。抗議デモを行って民族固有の州の設置を訴えていた。
ネパール-憲法8年間決まらず (投稿2015年1月24日)
ネパールは、王制を廃止して連邦共和制への国になろうとしています。そのための憲法を作り始めてから、8年が経ちました。制憲議会は政党間の不一致で、何度も締め切りを伸ばして来ました。そして、写真のように、またまた時間切れ解散という、愚行です。写真はニュース元より。Vサイン出してるのは野党議員なんでしょう。女性議員がこんなにいるとはオドロキです。
2006年 王制廃止
2008年 制憲議会スタート(連邦共和制の新しい国の憲法を4年内に作る議会)
2012年 制憲議会4年間もめ続け、時間切れ解散。憲法できず。
2014年 再度制憲議会スタート。期限は1年!
2015年 時間切れでまた憲法できず・・・
しかし、8年間も暫定憲法でやってこれたんですから、そのままでもいいのかも知れません。日本だって憲法はありますけれど、解釈変更!ってことだけで意味変えてますから、その程度のものなのかも知れません。これまでの議会関連のブログもどうぞ。
ネパールの13年を30秒で
憲法のない国ネパール
政治は星占いで進める
————-ニュース転載—————-
憲法制定、期限切れ=ネパール 2015/01/23 時事ドットコム
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【ニューデリー時事】ネパール制憲議会は22日、この日までとしていた憲法草案の起草期限切れを迎えた。与野党の主張の隔たりが埋まらなかったためで、新たに期限設定し、残り任期内で草案作成を目指す。
野党は「憲法は各党の総意に基づいて決められるべきだ」と主張し、投票で決めようとする与党に反発。ネムバン制憲議会議長は「政党が公約を守らなければ、国民の信頼は得られない」と野党議員の説得を試みたが、失敗に終わった。
ネパール-憲法を作る議会が再始動 (投稿2014年1月23日)
憲法をつくる議会が、再チャレンジです。1年以内に憲法草案をつくる、ということになりました。
ネパールは、2006年に王制が廃止されました。そして連邦共和制を目指し、2008年制憲議会(憲法を作る議会)がスタートしました。でも結局、4年間もめ続け、時間切れ解散となりました。そしてそこからさらに2年を経て、議会が再始動しました。はたして行方は??くれぐれも近隣国の介入には、気をつけましょう。
写真は、ネパールで売られている豆腐。日本より小ぶりの豆腐です。ネパールには「豆腐の角に頭ぶつけて」・・ということわざは無いようですが、議員たちにぜひ贈呈したいものです。
これまでの議会関連のブログ
ネパールの激動2001年-2013年
憲法のない国ネパール
政治は星占いで進める
————-ニュース転載—————-
ネパール、新憲法制定へ議会初招集 政党間の対立不可避 (産経ニュース2014.1.23)
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新憲法が制定されず、政治混迷が続くネパールで22日、昨年11月の選挙後初めてとなる制憲議会が招集された。任期の4年間で新憲法制定を目指すが、政治体制の在り方などをめぐり政党間の対立が予想される。選挙では主要政党のネパール会議派が第1党となった。2006年に反政府武装闘争を放棄した後、国政で中心的な役割を担ってきたネパール共産党毛沢東主義派は大敗した。08年に発足した旧制憲議会は新憲法制定に向けて討議を重ねたが、実現に失敗して12年5月に解散した。(共同)
ネパール-憲法を作る議会が再始動 (投稿2014年1月23日)
写真は、5月に行われる雨乞いの「山車祭り」。ネパールの政治はもめ事ばかりですが、お祭りが始まると、見事な一致団結を見せてくれます。
2007年に王制が滅び、連邦民主共和国になろうとしたネパール。2008年には憲法を決める議員選挙が行われ、2010年に新憲法のもと、新国家ができるはずでした。ですが、予想どおりまとまらず、2012年5月に、先延ばし。憲法のない国のまま、となっていました。
さて、その2012年5月27日が迫ってきました。今回は、もういい加減に決めよう!ということになったらしい、というニュースも流れていますが、さてどうなるでしょうか?
祭りで発揮される、見事な団結力が見られるのかどうか?
ネパール-政治は星占いで進める (投稿2011年8月20日)
ネパールでは、人生、行事など多くの決め事を、星占いに頼ります。山車祭りの深夜、山車の傍らでちょっと不気味な占いが、行われていました(写真)。明日の出発時間でも、占ってるのでしょうか。
ネパールは2008年に王制が倒され、連邦共和国となることを決めました。でも、新しい憲法を決められないまま、ずるずると3年たちました。これまでも、半年ごとに政権が変わり、数日前には、首相が辞任、という情けない政治が続いています。
ネパールの祭りを見て、とても感心することがあります。そこでは、完全に口伝えだけで、ものすごい数の人間が、祭事を動かしていきます。警備なし、書類なし、無線なし、どうしてこんなにたくさんの人間が、口先指示だけでこれだけの大規模イベントを動かせるのか、本当に感動ものです。
祭りはきちんと動くが、政治は動かない。ネパールは、先進国の政治体制を真似しないで、自分らに合ったやり方にした方がいい、とも思ってしまいます。この国は、公的行事から個人の人生まで、かなりの部分が星占いで決められています。
星占師には素直に従うが、あの議員には従えないのなら、議会も星占いでやった方がいいんじゃないでしょうか。3年間、憲法、議会がなくても、やってこれたんだし。