ネパール大地震-16時間前に発生
ネパール大地震のブログ(2015年4月26日~5月17日)をまとめました。
目次
4月26日 ネパール大地震-16時間前に発生
4/25の正午ころ、ネパール中央部のゴルカ地方を震源とする地震が発生しました。カトマンズ、バクタプールなどの古都があるカトマンズ盆地にも大きな被害が出ています。地震発生から、16時間が経ちました。
下の写真は、Facebookで公開されている、バクタプールの様子です。左奥の五層の塔は、ニャタポラ寺院です。ネパールで最も高い、30mの建物です。1934年の大地震でも倒壊しませんでしたが、今回も無事だったようです。倒壊した一般住宅の中に屹立している様は、何か不思議な力を感じさせます。
ヒマラヤ山麓ネパールでは、近いうちに大地震が起きると言われていました。
●予測のポイントは・・・
1.ヒマラヤを作り出したプレートの衝突地帯
2.これまでの発生周期年数からの予測
●災害を拡大させる要因として・・・
1.防災計画、建築規制の皆無
2.カトマンズ盆地は古代に湖だったので地盤が軟弱
日本でも、予測されている大地震があります。しかし、それを見込んで、今の社会、生活を変えるということは難しく、ネパールではなおさらの事です。
4月27日 ネパール大地震-建物の耐震性
写真は、バクタプールの東門から見た通りです。典型的な、レンガ木造の住宅・店舗です。
ネパールの町中の建物は、レンガ造3~5階くらいのものが多く、隣戸と接して建てられています。窓、ひさしは細かな木工細工で作られます。西欧の組石造では窓枠の上部に石を渡し壁の補強材とします。ネパールでは、その部分が木材のため、弱点となります。
寺院などでは、1階のレンガの上に大きな木材の梁を渡して、その上に2層目のレンガを積むという、日本の感覚では信じられないような構造もあります。梁のサイズを大きくすれば重いレンガも支えられるでしょうが、やはりこれも構造的には弱点になるでしょう。ニャタポラ寺院が、過去の地震でも、今回もまた被害をうけなかったことは、何が要因だったのでしょうか。
5月1日 ネパール大地震-絆深いサンク村
ネパール・サンクの被災状況がFacebookにアップされていました。悲しいことに、見覚えのある町並みが倒壊しています。
2000年の年末、サパナ主催のツアーでサンクのevergreen schoolを、訪問しました。それが縁で、2001年に生徒たち(9~16歳)の舞踊グループを招聘し、北海道内で公演しました。写真は、札幌市での公演です。
また同校の、絵画で優秀な生徒や、ネパールの画家を招聘し、絵画交流事業も行いました。
舞踊公演、絵画事業の内容はこちら
その後もツアーで何度も村を訪れ、いろいろと思い出もある町並みが被災してしまいました。
5月10日 ネパール大地震-サパナの支援活動
大地震から2週間が過ぎました。各国救援隊も引き上げが始まっています。救援募金も世界中の各団体で行われています。
サパナでは、ネパール全体への支援ではなく、これまで実施したプログラムで関係のできた人たちに、直接救援募金を届ける予定です。
これまで実施したプログラムは、次のものです。
2004年舞踊公演(ヌチェ先生のチーム、パタン・ジャプのチーム)
2001年舞踊公演(サンク・エバーグリーン校の生徒たち)
5月13日 ネパール大地震-5月12日に巨大余震
あれから約3週間弱、また大地震が起きてしまいました。
ネパールに行くときは、カトマンズで旅行代理店を営んでいる、シェルパ兄弟一族にお世話になります。彼らの故郷はソルクンブで、今回の震源地です。恐らく前回より震度は大きいのでは?と想像するのですが、情報はまだ入ってきていません。ソルクンブの地図
余震位置の地図を見ると、4月の震源地から200kmちょっと、東側になります。エベレストまでは、20~30kmのようです。エベレストのベースキャンプでも、大雪崩がありました。
シェルパ兄弟の一番下、Karma Sherpaは、教育支援のNGO The Small World を運営しています。4/25以降、地元ソルクンブの被災者支援に懸命でしたが、またひとつ難しい状況になりそうです。
5月17日 ネパール大地震-雨季せまる
ネパールでは5月下旬から、インド洋の湿った季節風が吹きヒマラヤ山脈にぶつかって大量の雨が降り始めます。これはモンスーンと呼ばれ9月下旬まで続きます。
写真は5月初め雨季の直前に行われるパタンの山車祭り。モンスーンは大事な田植えの季節で、その恵みの雨を祈る祭りです。しかし今年の山車祭りは、大地震のため中止。そして恵みの雨となるはずだったモンスーンは、緩んだ地盤や、ひびの入った建物の崩壊の原因となることが、心配されています。
写真の山車は、パタンの街中の10数箇所の伝説ポイントを、2週間~1ヶ月くらいかけて、大勢の男たちによって曳き回されます。各ポイントの山車の出発日は星占いで決めるため、お祭りの期間が一定ではありません。山車を曳く者たち、それを取り巻く観衆たちの息遣いを、今年は聞くことができません。