チベット-霊峰アニマチェンとケサル大王

ゴロク地方の霊峰アニマチェン

ゴロク地方を巡ってきました。写真はマチェン市から仰ぐ、霊峰アニマチェンです。前日、麓にいたのですが雪雲で山頂を望めませんでした。

マチェン市から仰ぐアニマチェン峰
マチェン市から仰ぐ霊峰アニマチェン

チベット仏教では山そのものが信仰の対象となります。その中でも、アニマチェンは霊験の高い山として知られています。そのアニマチェンの山神は、ケサル大王の守護神です。

チベット文化圏、モンゴル語圏では、知らない人はいない伝説上の人物、ケサル大王。ゴロク地方は、その大王の伝説の舞台としても知られています。物語では、ケサル大王の天界の暮らし、この地の四つの国の戦いなどが語られ、世界最長の文学と言われます。

歌で語られる伝説としても知られ、口承を生業とする語り手がいます。語り手の中には、夢を見ている間に物語が頭に入ってしまい、語り手となった人もいます。ゴロク地方は特に語り手の多い地域です。

この地域に暮らすゴロク族は、勇猛果敢として知られています。言い方を変えると、手に負えない荒くれ者たち、とも言われます。この地域には、ケサル大王が失くした宝剣が埋まっている、という言い伝えがあり、ゴロク族の勇ましさは、その宝剣のおかげとも言われます。

「ケサル大王物語」を読みました

「ケサル大王物語」君島久子編(写真の本)を読みました。大王の故郷を訪ねた後に、読む事になってしまいましたが、破天荒なストーリーを堪能しました。

この英雄伝、叙事詩は、各地で語り継がれてきた口承物語を、11世紀以降にまとめたものです。地上の悪魔たちを退治するため、天界からおくられたケサルが大活躍する物語です。

色々な版があってすべて集めると、インドの世界最長古代叙事詩「マハーバーラタ」より長いらしいです!

写真の図書は、1987年に発行。編者によれば、日本での紹介は初とのことです。原本は、中国青海省貴徳県で発見された、手書きの書物だそうです。
発見場所の地図はこちら

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